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史上最大の大作戦 あなたも私も裁判官

「ウヒャー、当ったー!」。

女性の田中さんはマー君ばりの雄叫びを上げた。この国民の義務に対して、積極的に参加を示す人、あからさまに拒否反応を示す人さまざまだが、田中さんは後者である。

自宅の郵便受けの1通の手紙。差出人は「検察審査会」。中身はあの「裁判員制度」候補者にあなたがくじで選ばれました、という知らせに違いない。

田中さんは、雄叫びの後、突飛な行動に出た。手紙を開封することもなく、ゴミ箱に放ってしまう。

「私は受取っていない!」
裁判員を正当理由なくして拒むと10万円の過料が待っているが、田中さんはこう強弁する。
「当選通知は普通便だから書留などとは違い、配達記録は残ってないはず。私は受取っていない。当選の事実すら知らない」。
そんな言い逃れが通用するのか?そもそも、手紙の効力は相手に出した時か、着いた時か。

民法第97条の規定はこうだ。「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」。

また、到達の事実については、「到達した」ことについて発信者に立証責任があり、受信者に「到達していない」ことを証明させるものではない。このため、到達事実を明確にするためには、配達記録郵便や書留郵便により発信することが実務上の慣例として行われている。

ではなぜ、検察審査会は、人を裁く裁判員の極秘通知を単なる普通郵便で送るようなことをするのか?裁判候補者に選ばれる確率は400分の1。全国で ざっと30万人に当選通知が送られる。普通便なら80円、これに配達記録を付加すると380円。その差額、9千万円について財政難の折、経費節約のためな のか?

違うと思う。30万人に配達記録を付けると受取り拒否者が続出して事務が混乱し、ひいては制度が形骸化してしまう。混乱を避けるため、制度を守るた めネガティブ・オプション(送りつけ商法)の手法を取っているのだろう。国は、10万円の過料をとる伝家の宝刀を抜けるような状態にないのは明らかであ る。

国の史上最大の大作戦 VS 田中さんの知らぬ存ぜぬ作戦。両者の知恵比べは、とりあえず田中さんの「逃げ得」でお咎めなしに終わるだろう。